コンセプト
靴からはじめる防災減災と男女共同参画
近年、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法など法的整備が進んできたものの、依然として女性が「耐えている」「ガマンしている」「女性だから仕方ないとあきらめている」のが実情です。
たとえば、職場などで「身だしなみ」としてパンプスやハイヒールを履くことを求めるられることがあります。また女性も「女性はパンプスやハイヒールを履くのが女性として当然のこと」と思い込んでおり、明確な規定がないのに同性である職場の女性の上司や女性の同僚から女性のスタッフに対して「ここではパンプスやハイヒールを履くことが決まり」であるかのように言われることもあります。これは男性優位社会からの女性に対する暗黙の押しつけであったり、ある種のパワハラであり、もはや見逃せない性差別の一つであると考えます。もちろん女性がプライベートでオシャレを楽しむことはなんら問題がありませんし、プライベートな状況で女性がオシャレをすることを否定するつもりはありません。ただ、職場においては、男女平等を規定した男女雇用機会均等法と男女共同参画法に厳密に対応するためには、職場では男女同一デザイン・男女同一構造のオーソドックスなデザインの「日本発」のビジネスシューズが必要な時代であるのです。
ハイヒールはヒール(悪役)なのか?
靴は西欧から持ち込まれた「足の容れ物」ですが、靴はもともと伝統的な「性差別」の象徴であることも思い出してほしいと思います。例えば、ハイヒールは女性の身長を高く見せると共に足も長く見せ、さらに「かかと」が持ち上げられることでヒップが強調されます。このため、ハイヒールを履くと本来は猫背になるのですが、猫背を補正しようとして背筋を伸ばすと、今度はバストが強調されます。しかも、ハイヒールを履いて「おっかなびっくり歩く女性」に対して男性が「お嬢さんお手をどうぞ」と声を掛けてエスコートしやすくなり、この結果ハイヒールは女性を自由に出歩かせないためのツールとなりました。ハイヒールは女性にとって、自分を女らしく見せるためのツールであると同時に、男性にとっては女性を闊歩させないための都合のいいツールでもあったのです。現在、多くの女性が職場で長時間におよぶパンプスやハイヒールの着用による様々な痛みや疲労・ストレスに悩まされているのに、それを「女性のたしなみ」と思い込んで我慢しています。こうした職場での慣習や女性の思い込みによる「性差別」も実は「人災」・「災害」と見なすべきテーマであり、男性・女性・LGBTの人々が性差別を意識することなく職場で活躍することができる社会を目指し、根本から改めなくてはならない緊急の課題と考えます。
「災害救助の優先順位とは。
2017年8月25日、中央防災会議の有識者会議は、南海トラフ巨大地震について「確度の高い予測は困難」として、地震予知を前提とした防災対応を見直す一方、巨大地震につながる地殻変動や前震などの異常現象を観測した場合に住民避難を促す仕組みの検討を国に求めました。この報告書案では、現在の科学的知見を基に、地震の発生場所や時期、規模について「高い確度の予測はできない」と指摘。地震予知を前提とした大震法に基づく防災対応は「改める必要がある」と明記されています。つまり近年、異常気象や自然災害が多発する状況の中で、2017年9月1日の「防災の日」の直前になって、国は今後「地震予知の研究を行わない」と発表し、大地震の予知予測の研究を国は断念したことになります。現在、災害はいつやってくるか分からないし、これからは常に災害に備えるしかない時代なのです。その一方で、行政が刊行する「防災マニュアル」等の中にいくつかの誤った認識や実体にそぐわない記述が多い事に気付きました。例えば、鬼怒川の洪水の際にペットを抱えて屋根に避難していた夫婦を自衛隊の救助ヘリがつり上げようとしたとき、(★イラスト)ペットが爆音と救助員に驚いて暴れ出したために、この夫婦の救助に手間取る様子がそのままTV中継されました。ところがまさにそのとき、濁流に流されている近隣の家の雨どいに必死でしがみついている男性の姿がTV中継のライブ画面に写し出されていました。人命救助の本質は“人命を救助すること”が目的であって、ペットを抱えて屋根に避難した人から先に救助することは本来の「人命救助」ではありません。近くの家の雨どいに必死でしがみついたまま濁流に流されて行く状況で、自衛隊の救助ヘリがペットを抱えて屋根に避難している人の救助を優先し、しかもペットを抱えたまま救助することに手間取っている状況に直面したとき、はたして濁流に流されている男性が「仕方ない」とあきらめることができるでしょうか。そうではなくて、大きな事故の際には軽傷者を後回しにし、より重傷な人から救助して搬送することで人命を守る「救命救急のトリアージュ」があるかのように、災害における人命救助は“人命を救助すること”を優先すべきであって、ペットを抱えて避難している人や人命に直接関わらない状況では救助を後回しする等の「災害救助のトリアージュ」の徹底が必要だと考えます。
DPDPの規格について。
大都会では大災害が発生した際には指定された避難所や避難場所の公園等には収容人員をはるかに超える人々が殺到することが容易に想定されるのであり、過去の大地震では大規模な火災も発生しています。こうした過去の教訓から、まず風向きを考え、次に風を背中に受けながらガレキを乗り越えて左右どちらかの方向にあるより安全な場所まで自力で歩いて避難することが生命を守ることにつながります。なぜなら大規模な火災から身を守るためには、風上風下以外の方向に逃げるしかないからです。ちなみに、安全靴は工場や工事現場等の作業で足にケガをしないために作られた足を保護するための靴であり、地震や台風等の自然災害に対処するための靴ではありません。 また安全靴は、堅牢すぎて重すぎるばかりか、通勤や営業の外回りで履く靴としては見た目も悪すぎます。DPDPは、工場や工事現場等の作業を除く、職場で働く男女すべての男女平等・男女共同参画や女性の活躍を推進する企業・法人向けの多機能型防災減災健康ビジネスシューズであり、たとえば有名デパート・航空会社・化粧品メーカー・健康関連企業・女性向け下着メーカー・ホテル・TV局・各種メディア・損害保険会社・各種出版・各種行政庁・防災関連事業・各種労働組合等での導入を想定しており、立ち仕事や営業などの外回りや、労災が適用される通勤の往復等にも対応可能です。日常的に履くことができる軽い「防災減災靴」はいつ起きるか分からない災害に備えると共に、働きながら健康づくりと、男女共同参画の時代に求められる男女同一形状の職場で履けるスタイリッシュな多機能型のビジネスシューズです。